「まつろわぬ物質」展
所属研究室の個展のために制作したポスター。
 Fabというと、データを入れれば思い描いたものをなんでも作ることのできる夢のような世界という捉え方をされることが多いが、実際には素材は作り手の言うことをなかなか聞いてはくれない。しかしそんなエラーをこそ面白がり、まつろわぬ(=服従しない)物質と向き合ってきた成果を展示したもの。
 人の手を溢れ広がっていく様子を「まつろわぬ」と捉え、 流体シミュレーションによって「作為⇆無作為」の間に生成した3Dモデルをグラフィックに用いることにした。
【展示文章】
「デジタル・ファブリケーション」という言葉から、何を連想しますか。
3Dプリンターやレーザーカッターといった工作機械を使い、思い描いたものを何でも作れる夢のような世界。
そのようなイメージを抱く方も多いかと思います。

物質(モノ)とその周縁の非物質(コト)をつくる行為は、実際のところ、割にハードです。
素材は作り手の言うことをなかなか聞いてはくれません。ものを取り巻く状況も、目まぐるしく刻一刻と変わってゆきます。

とはいえ、私達はこの8年間、遊ぶようにものを作り続けてきました。

素材とじっくり対話する。制作と無縁だった人々を巻き込む。「これがこの世にあったらどんなに素晴らしいだろうか」と妄想を膨らませる。
楽しんでつくることが、結果的に物質と人、人と人との良好な関係性を築いたように思えてなりません。

「私達の"遊び"を共有するのが研究室内のみとは、あまりに勿体ない」という思いから、この展覧会を開催するに至りました。
お運びくださった皆様にも、一緒にこの興宴を楽しんでいただければ幸いです。

会場_IID(世田谷ものづくり学校) 101 Gallery / 211 Studio
開館_3/2 10:00-19:00
         3/3 10:00-17:00
入場料_無料