I am obi
私は、帯です。

私は、大日方(おびなた)という苗字から皆に「おび」という愛称で呼ばれています。余りにも決まって呼ばれるものですから、私も「おび」という2文字にすっかり自分を重ね合わせてしまいました。
「おび」は「帯」という漢字にも成ります。「帯びる」という言葉にもあるように「帯」には異質なものを結びつけることによってその性質や要素を内包する力を持っています。
そしてどうやら、私は自由に発想することが好きですが、どれもこの「結びつける」力に支えられているようなのです。帯と帯の結び目でなにか面白い絡まりが見えてこないか探しているのが私であり、なにかと結んではほどき、絡めている。この「帯の結び目」と「私(i)」を重ね合わせ、自らを表象するロゴとしました。

色に用いたのは、「言ふ色(#022789)」です。これは私が命名した私の色です。
世の中にはすでに「言はぬ色(#FDD876)」という色があり、これはクチナシの実で染められた綺麗な黄色ですが、読みを「口無し」にかけた色名です。私はこれの補色関係、つまり真反対にあたる色を導き出し、この淡く深まった青色を「言ふ色」と命名したわけです。
私はどうも、おしゃべりなようです。
思いついた楽しいことをすぐに人にしゃべりたくなってしまう。「ねえねえこんなの思いついたんだけど!」これはもうやめられない性分で、アイディンティティの一部です。
おしゃべりはあまりいい意味で使われることがありませんが、私の場合には自分が思っていることをすぐ話してみて、誰かの感想を聞いて、議論して、そうしたらまたすぐ新しいことを思いついて、と、アイディアがとめどなく溢れてくるための技術としてのおしゃべりがあります。
これ無しでは私を語りきれないだろうと思い、おしゃべりな色「言ふ色」を命名するに至ったわけです。

「I am 帯」であり、「I am おしゃべり」なのです。